こんにちは!
アメリカ版実生活バージョンの『空想科学読本』とでもいうべき、『ハウ・トゥー バカバカしくて役に立たない暮らしの科学』(ランドール・マンロー/著・早川書房/刊)が楽しめます。
科学的根拠はありませんが、巣ごもりの退屈しのぎに最適かも…。
挿し絵のイラスト(マンガ)を追うだけでも楽しめます
「どういう楽しさが待っているか?」をどうご紹介したものか…。言葉で表すことは、とても難しいです。。
本書で一番の特徴としては、取り上げられている項目はどれもこれも、非現実的でバカバカしい解決方法ばかりというところ。
ですが、バカバカしいけど「科学的には正しい(らしい)」という点。
だからこそ面白いというか、「そんな解決方法、考えたことも無かった」とニヤリとさせられ、「その手があったか!」と〝うっかり〟乗せられた挙げ句、「でも、その解決方法を選ぶと〝こんな結末〟が待っている」と落とされる!!
そんな快感というか、ある種の「清々しさ」とでもいいましょうか。
目次の一部(半分くらいww)をご紹介すると〝こんな感じ〟です。
【第1章】ものすごく高くジャンプするには
【第3章】穴を掘るには
【第5章】緊急着陸をするには
【第7章】引っ越すには
【第9章】溶岩の堀を作るには
【第13章】鬼ごっこをするには
【第14章】スキーをするには
【第16章】家に電気を調達するには(地球で)
【第17章】家に電気を調達するには(火星で)
【第18章】友だちをつくるには
【第19章】ファイルを送るには
【第20章】スマートフォンを充電するには(コンセントが見つからないときに)
【第21章】自撮りをするには
【第27章】約束の時間を守るには
【第28章(最終章)】この本を処分するには
…といった具合です。
並んでいる項目としては、ごく一部を除き、たしかに「How to(ハウツー)」です。けれども、その〝解決方法〟がぶっ飛んでいるのです。
※ちょっと気になったのですが、Amazonさんで検索して出てくる「単行本/ソフトカバー」の価格。実際の本は1,600円+税なのですが、どうして2,640円なのでしょう…。価格改定でもあったのでしょうか?
※この部分が気になったので、上記ご紹介においては「Kindle版(電子書籍版)」をどうぞ。。
「この本に書かれているいかなることも、ご家庭で試さないでください」は本気だと思う
〝ぶっ飛んでいる〟と言っても、著者は元NASAの技術者です。その権威を取り除いたとしても、科学的な根拠というか「思考実験」のプロセスがわかりやすく(かつ、面白おかしく)バッチリ記されています。再現しようと思えば、できなくもない…。
単なる仮説にとどまらず、再現のための手法も示されているということは、科学的には〝非の打ち所なし〟であるはずです。
〝しかし〟なのですが、「より高くジャンプする」ために、どこの世界に「山岳波(高い山にぶつかって巻き上がる風)やジェット気流を利用しよう!」と考える人がいるでしょうか。科学的には〝正しい〟にしても…。
あるいは、「スキーをするには」というハウツーのために、いったいどこの誰が〝ローラースケートを再発明〟するまで突き詰めて考えるでしょう。
さらには「自撮り」や「電気の調達(地球で)」とか「スマホの充電」、今や多くの人が日常的に行っているであろう「ファイル送信」です。
なんとも壮大な解決方法!
おそらく2時間もあれば読み終えてしまいそうですが、「することがない…」なんていうときにでも、ぜひどうぞ。